- ソニアリキエル 名古屋 | SONIA RYKIEL Nagoya <1986>
ソニアリキエル 名古屋
1986
用途 /ブティック
所在地/愛知県名古屋市
面積 /160㎡
- 白
ベニヤで作られた木箱のようなファッションショップ。模型のように木の部品によって内部空間が「組み立て」られる。
木は淡い白に塗られ、木肌が薄く透ける。仏像に塗られる白=胡粉(貝殻の粉末で日本画の顔料。奈良時代までは鉛白で、後に胡粉を使うようになった)を用いた。
白は物質の素性を伴うときに、格別な美しさを発揮する色だ。たとえば韓国のオンドルの白い紙。ジャン・コクトーによって「大理石の一撃」と例えられた純白の雪のつぶて。
平安時代以降の日本の仏像は、神仏習合もあるが木彫であることによって仏を神に近づけた。
そこに使われた、粉をふいたような表層の白=胡粉の希薄な美しさは、気配という意味合いにおいて、マルセル・デュシャンのいう「アンフラマンス(極薄)」に似ている気がする。